サウンドノベル「街～運命の交差点～」ゲーム徹底解説【戻りたい過去はありますか？】

こんにちは、コンピュータゲームの中で好きなジャンルと言えば「サウンドノベル」の、ほまれです。

これまでチュンソフトの「かまいたちの夜」シリーズをはじめ、いくつものサウンドノベルをプレイしてきました。

＞＞かまいたちの夜（初代）の攻略記事はコチラ

今回はチュンソフトのサウンドノベルシリーズの中より、そのコンセプトから屈指の「難易度」と「好き好き」がわかれるであろう、
「街～運命の交差点～」を徹底解説していきます。

未プレイの方も、かつて最後までクリアできずに挫折した方も、Youtubeのプレイ実況のネタにしたい方も参考にしていただけると幸いです。

最初にリリースされたセガサターン版のタイトルは『サウンドノベル 街 -machi-（１９９８年）』（サウンドノベル まち）。その後システムを一部変更して新要素を追加したPlayStation版『街 〜運命の交差点〜』が『かまいたちの夜 特別編』、『弟切草 蘇生篇』と同時期に「サウンドノベル・エボリューション」シリーズとして1999年1月28日（廉価版は2002年4月4日）に発売された。出典：Wikipedia

『街 〜運命の交差点〜』（まち うんめいのこうさてん）は、チュンソフトから発売されたサウンドノベル第3作目にあたります。

wikiからの抜粋の通りセガサターン版が初出ですが、改題後の「街～運命の交差点～」でその後、本タイトルは世に浸透していると考えます。

また、入手のしやすさとストーリーはそのままに機能面での改善が図られていることを踏まえると、「街～運命の交差点～」が遊びやすいはず。

と、言うことでサウンドノベル・エボリューションとして蘇った「街～運命の交差点～」バージョンを軸に以降の話をすすめていきます。

街～運命の交差点～ゲームシステム

まずは、サウンドノベルとは？街のプレイ方法とは？を解説します。

サウンドノベル

サウンドノベルは美しいグラフィックと迫力のサウンドを背景に、不思議な物語の世界へ引き込んでくれるゲーム。

文字だけの小説を読むのとはひとあじ違った体験をさせてくれます。

また、マルチフラグメントシステムにより、自分の意思で物語を変化させて行き、無数のエンディングを楽しむことができます。

移動マップ＊運命の交差点verのみ

「街～運命の交差点～」の一番の特徴は主人公たちの過ごした時間を過去・現在にわたって行き来できる「移動マップ」。

移動マップは時間の移動だけでなく、「これまで選んできた選択肢」や「ほかの主人公たちとどんな影響を与え合っているか」が一目でわかるようになっています。

プレイ中に詰んでしまった際は、この移動マップを冷静に見直すことが重要。

難易度設定＊運命の交差点verのみ

プレイヤーが体験する5日間。各日のはじめには難易度を３つのなかから選ぶことが出来ます（セガサターン版には無い機能）。

初心者の方にはうれしいEASYから、NORMAL、HARDまで。当然HARDになるほどゲームの難易度は上がりますが、物語の進行・結末には影響がないので、気楽にプレイをはじめましょう。

第1日目（10月11日）のシナリオでは、「重要な選択肢」や「ザッピング」の場面で、画面右下に注意を促すアイコンが表示されます。

また、バッドエンド後には「1日目」に限り、ヒントが表示されるので参考にしつつ、プレイになじめるように配慮されているので初心者も安心です。

シルエットモード＊運命の交差点verのみ

「街」は実在する都市、「渋谷」を舞台に、数多くの俳優＆エキストラを起用して撮影を行った意欲作。

ところが、「実写」であるがゆえに「感情移入がしづらい（いちぶキャラを好きになれない）」など批判的な声があったのも事実です。

そこで、既存のサウンドノベルプレイヤーにはおなじみの「シルエットモード」が追加され、主人公の表示を「実写」と「シルエット」の二通りから選択できるようになりました。

表現力豊かな役者さんの表情を楽しむもよし。ノベルから読み取る「場の雰囲気」を想像力豊かに楽しむのもよしです。

セガサターン版「サウンドノベル　街」と、プレイステーション版「街～運命の交差点～」の違い

セガサターン版の「街」でも時間移動は可能ですが、主人公たちのタイムテーブルを俯瞰で眺めることが出来ず、分岐やＺＡＰのポイントまでピンポイントで戻れないのが難点。
一方プレイステーション版では、オートセーブ機能が廃止されているのでセーブ忘れに注意が必要。また「バットエンド」、「つづく」、「1日の終わり」にセーブするかいちいち聞かれるので鬱陶しいかもしれない。

個性的な主人公がおりなすバラエティに富んだストーリー

街には幾つもの性格の人たちがあふれています。
もし彼らの人生を垣間見ることができたら、そこからどんな事がわかるでしょうか。
ひょっとしたら、他人の人生は知らないところで自分に大きな影響与えているのかもしれません。
本作サウンドノベル・エボリューション３「街～運命の交差点～」に登場する多くの人物には、それぞれ物語が用意されています。
今回見ることが出来るのは、その内の8人の主人公です。
目的も性格も違う彼らが、知らず知らずに影響しあい、ドラマが織り成されていきます。
そんな主人公たちが住む『街』の物語をお楽しみ下さい。
出典：街～運命の交差点～取扱説明書

8人の主人公を紹介

Story1：雨宮桂馬

オタク刑事走る!

脚本：長坂秀佳、平松大樹

自称ゲーマーの少年係刑事。ある日彼の目の前にしぶや爆破の予告が現れ、次々とゲームを使った戦いが挑まれる。
ゲームの敗北は、即「渋谷の爆破」を意味するこのゲームを桂馬はクリアすることができるのか？

>>オタク刑事走る！の攻略はコチラ

Story２：馬部 甚太郎

THE WRONG MAN 馬

脚本：山崎修

うだつの上がらない大根役者の馬部。なぜかいきなり宝石強盗容疑のヤクザと間違えられ、組と警察の両方から追われる身となってしまう。
とつぜん放り込まれた仁義の世界で、偽物とバレたらただでは済まない。馬場は命がけでヤクザの芝居をすることになる。

Story3:牛尾 政美

THE WRONG MAN 牛

脚本：山崎修

半年前にヤクザを辞めた牛尾は宝石店に勤める女性にプロポーズをしに行くが、ひょんな事から宝石強盗と間違われてしまう。
そして逃げているうちに自分にそっくりの役者と入れ替わり、やったこともない芝居をする羽目になるのだが。

Story4：細井 良子

やせせるおもい

脚本：岩片 烈

恋人から「痩せないと別れる」と宣告され慌ててダイエットをする美子。
いろいろ試しはするものの付け焼き刃でどうかなるわけでもなく、追い詰められた美子は次第に過激な手段をとるようになっていく。

Story5:篠田 正志

七曜会

脚本：長坂秀佳、岩片烈

平凡な大学生であったはずの正志が妙な組織と関わることになる。
七曜会と言うその組織ではあらゆる手段で人を脅迫し、10,000円だけいただくと言う謎の行動をさせられるが、いったいその真意は何なのか?

Story６：高峰 隆士

迷える外国人部隊

脚本：長坂秀佳、横山至

フランス外人部隊から3年ぶりに日本に戻ってきたが行き場のない焦燥感に駆られながら渋谷の街をさまよう隆士。
平和な日本になじむことができずかつての友達にもギャップを感じている隆士の行動は?

Story７:市川　文靖

シュレディンガーの手

脚本：長坂秀佳

眠っているうちに自分の意思とは無関係に作品が出来上がってしまうと言う異常な体験をしているテレビプロットライターの市川。
彼は己の文学存在価値をかけて悪魔と戦うことを決意する。

Story８：飛沢 陽平

で・き・ちゃっ・た

脚本：山崎　修

学園のアイドル飛沢陽平は2ヶ月前に1番だけ付き合った女の子から突然呼び出された。
まあいつものことだと余裕たっぷりに構えていると彼女から衝撃の一言。
「赤ちゃんできました。」

最初からプレイできるストーリーは８つ。
ピンクのしおり登場後はさらに2人の主人公の物語を楽しむことができます。

ゲームの進め方

「街～運命の交差点～」では、コントローラーの複雑なボタン操作はありませんが、ゲームシステムとボタン操作など基本ルールを理解することで、快適にプレイが出来ます。

ボタンの名称はプレイステーションのコントローラーをもとにしていますので、ゲーム機が異なる場合は置き換えをお願いします。

読み進め・読み戻し

「街～運命の交差点～」では、コントローラーの「〇ボタン｝または「Ｌ２ボタン」を押すことでシナリオを「読み進め」ていきます。
また、進めてきた物語を読み返したいときは、「スタートボタン」を押すことで「読み戻す」こともできます。
読み戻しの文章は「オレンジ色」で表示されます。

マルチフラグメント

選択肢が表示された場合は、方向キーで好きな選択肢を選び、「〇ボタン」または「Ｌ２ボタン」で決定します。
選択の結果は①自身の運命に直接影響を与えるもの②他者の運命を変えてしまうもの③特にいみのないものの３パターン。
慎重に選びましょう。

ＺＡＰとＴＩＰ

文章の中で色つきの単語が表示されることがあります。
「□ボタン」か「セレクトボタン」を押すことにより、「説明（注釈のようなもの）を読む」または「ザッピング（他の主人公の物語へ移動）」することができます。
登場人物に関するものは「緑色」、場所や物等に関するものは「青色」の文字で表示され、いちど選択された箇所は濃い色で表示されます。

バッドエンド

選択肢を誤ったり、誰かがとった行動の結果次第では、とある主人公が行き詰まり「バッドエンド」になってしまいます。
その場合、「自分（進行中の主人公）を含めた誰の、いつの行動の影響か」を考えて、その選択を変えてみましょう。

うまくいけばバッドエンドが回避され、シナリオが進められるようになります。

つづく

シナリオを読み進めていくと、「つづく」と表示されゲームが一時終了することがあります。
別のシナリオを読み進んでいくと「ザッピングできる場面」が必ずあるので、頭の片隅におきつつ別のシナリオを進めましょう。

おわりに

サウンドノベル「街」は「プレイしづらい」という声が一部にあります。

それは、ザッピングシステムの斬新さと複雑さからかもしれません。

また、ストーリーが面白くなってきたところで「つづく」となり中断してしまうことも、「先をはやく読み進めたい」プレイヤーの気持ちをそぐ結果となってしまっているのでしょう。

しかし「街～運命の交差点～」においては、ザッピングシステムが唯一無二のスパイスとなって「なにげない選択ひとつでも互いの行動が運命に影響を与え合っていること」をリアルに感じさせてくれるのです。

若者の街、「渋谷」を舞台に繰り広げられる壮大なバラエティードラマ。

主人公8人が繰り広げる5日間を並行して読み進め、あなたの手で8人全員をハッピーエンドに導いてください。